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2023.09.29 第11回大東建託賃貸住宅コンペ計画地を語る|宇津木喬行・高橋良弘

333s

333architects メンター建築家

双葉町の状況を知って思うこと

11年という期間、住む場所を離れた人が戻る場所をどう作るべきか、新しい住民をどのようなテーマで呼び込むことができるか、もしくはその必要があるかなど、住民の方の心情もさまざまある中で、これからの未来をどう描くか非常に複雑な課題だと思いました。 一方で、ハード面ではゼロに近い状態からまちを考えられる課題として魅力的な側面もあるので、ここに着目し、逆にここだからできる未来のライフスタイルを具現化するまちを提案することになると思います。AIや技術の進展によりライフスタイルが再定義される中で、近い未来に実現したい、全く新しい仕組みを持ったまちづくりが提案できたらと思います。

コンペの発信情報から、もしこのコンペに参加するなら、どの敷地を選ぶか(全部でも、一つでも)

点(建物単体)ではなく面(まち)として具体的に提案できるという点が本コンペの特徴だと思うので、敷地全体を使った特徴的な価値を提案したいと考えます。コンセプトに沿って敷地全体でまちづくりのゾーニングをした上で、特定の敷地の具体的なプランを提案するという方法もあるかもしれません。 その上で自然と共生しながら楽しむことができ、防災につよいまちをつくることができないか、という観点で選ぶとしたら、自然との距離が近い敷地②か、元々市民が集まる場だった①を選ぶと思います。

その場所でどんなことができると想像するか

特に検討したいのは、自然との距離が近い敷地②です。この場所で、たとえば現在の貨幣制度にとらわれない、地域で完結する価値交換の仕組みを実現できるモデルは作れると面白いと思いました。エネルギーや食料、仕事も双葉町のエリア内で完結し、既存の資本主義にとらわれない自由なライフスタイルを実現できないか そのためにこの土地にある資源をどう生かすか、そこら辺を深掘りして提案に繋げると思います。また、建物という概念ではなく、ランドスケープやパーマカルチャー的な仕組みを導入するのも面白いと思います。懐かしいけど最先端のライフスタイルが実現できる場がつくれないか挑戦したいです。

応募者に向けてのメッセージ

具体的な場所と、災害復興という重要なテーマなので、思考が固まりがちになるとおもいます。もし自分が行き詰まったとしたら、丁寧に現地の状況を調べたり、世界の先端的なまちづくりの事例を調べたり、もしくは全然関係ないコンペを色々見てコンセプトの組み方を参考にしたりすると思います。 コンペはアイディアの力を存分にぶつける場なので、自由な発想で、既存の世界観から枠を出たような新しい未来をつくる力強いアイディアをぜひ提案していただければと思います。