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2022.08.26 第10回大東建託賃貸住宅コンペ過去の受賞者コメント|野口 理沙子さん

似顔絵

野口 理沙子 第3回優秀賞

若い時期にコンペに挑戦すること、そして現在

「このアイデアからしか生まれない世界(ドローイング)がある」
これが学生時代にコンペから学んだことです。アイデアを最大化するために、アングル・着色方法・添景…を考え、またアイデアに立ち戻る。この行き来をひたすら繰り返したことで、ひとつの世界ができていく難しさと楽しさを学びました。
コンペにおけるよいドローイングとは、
・ひと目見ただけで、いいたいことが伝わる「抽象性」
・長時間見ていられるような「奥行き」をもった、そこにしかない「世界や形式・夢」が描かれているもの、この二点だと思います。
社会人になり、建築設計や旅行、執筆、講評、料理(!)…といったことをするうえでも、コンペで考えたプロセスと同じアプローチが応用できることに気づきました。そうこうするうちにすっかり表現の世界にはまってしまい、今ではそれを仕事にしています。アイデアの抽象化と拡張をしつつ、そこに少し夢を与えてデザインをしていくことを今も楽しく続けています。

「賃貸住宅とSDGs」について
大人になって、いつでも隣に大きな世界があることを意識するようになりました。
社会人として行動範囲が広くなったのか、あるいはスマートフォンで遠い国の情報に触れているからかもしれません。自分の行動が大きな世界のよい未来に繋がっている、と思える実感がほしいなと感じてしまいます。
SDGsは一見とても壮大ですが、「賃貸住宅」という一時的な住まいだからこそ、つくる人なりの解釈を施し、住む人に変化をうながす仕掛けをつくりやすいのではないでしょうか。
部屋の一角に設けた出窓で、小さな野菜畑がつくられ、その野菜がご近所さんに配られて人と人が繋がっていく、、、
ひとつの仕掛けが生んだ行動が、隣りの大きな世界の未来に繋がっている。そんな実感がもてる賃貸住宅を見てみたいなと思います。

ケンチクイラストレーター/一級建築士
1987年京都府生まれ/2010年神戸大学工学部建築学科 卒業/2012年神戸大学大学院建築学専攻 修了/2012年〜2014年石本建築事務所/2015年〜2018年永山祐子建築設計/2018年〜イスナデザイン主宰
イスナデザイン

野口理沙子さんが応募した案

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