2022.07.29 第10回大東建託賃貸住宅コンペ過去の受賞者コメント|瀬川 翠さん
若い時期にコンペに挑戦すること、そして現在
大東建託賃貸住宅コンペが始まったのは私が大学院生のときです。輝かしい賞金額から学生たちの間で「ドリームジャンボ」と呼ばれていて(笑)、出題も面白く、当時から皆こぞって応募する大変注目度の高いコンペでした。
私は3年続けて応募して、3回とも入選どまり。壇上でプレゼンできる同志たちが格好よく見え、悔しかったですね。そのとき会場で出会った全国の建築仲間とは今でも繋がりがあり、これも人気のあるコンペの醍醐味だと思います。
当時は、どうやったら数百案の中で審査員の目にとまるか、何か正攻法があるんじゃないかと、血眼で研究をしていました。大学では学べないプレゼンテーションスキルとして、確実に現在の仕事にも生きています。
ただ今思えば背伸びをしすぎて、テーマである社会課題を等身大で消化できていなかったことは反省点です。借りてきたような言葉で設計していた部分もあったかと思います。
目の前に立ちはだかる課題をどれだけ自分ごとと捉えられるかは、これからの建築家に必要な能力で、それこそが正攻法です。真正面から勝負しにいきましょう!
「賃貸住宅とSDGs」について
SDGsを取り入れたライフスタイルが、住む人のアイデンティティになるような素敵なものであってほしいですね。
エシカルファッションやサステナブルフードがどんなによいとわかっていても、合わないものや美味しくないものは続けられないのと同じで、デザインは持続可能性に大きく関係するはずです。まさに設計の腕の見せ所だと思います。
また、住む人のアイデンティティになるということはすなわち、不特定多数のみんなのために漠然と計画されたものではない、ということでもあります。SDGsという一見壮大なテーマにたいしても、いかに自分ごととして解釈できるかがスタートラインです。突き詰めたアイデアには共感を生む強さがあると思っています。応援しています!
建築家/StudioTokyoWest代表取締役/シェアハウス・アンモナイツ大家/
StudioTokyoWest
瀬川さんが応募した案
瀬川翠さんの最近の活動