最優秀賞
商店街がはじめる住笑混合賃貸
小林雄介(横浜国立大学)
鈴木翔之亮(フリーランス)
左から,鈴木翔之亮氏と小林雄介氏.
【敷地】 大阪府大阪市空堀商店街
【抽出した地域の課題】
現代の大型店舗の進出や,流通形態の変化によって街に取り残されてしまった商
店街は空洞化したシャッター街となり,地域活性の呼び水となっていない.
【賃貸の仕組み】
商店街にお笑いを媒介とした舞台化した賃貸住宅をつくり,商店街の集客を再生
する.商店街を運営する商店街組合と共に,商店街を少しずつ舞台,工房,客席
を付帯する賃貸住宅としてリノベーションし,お笑い養成所といったスクールなど
が入って芸人が住まいながらお笑いを発信.商店街に集客と賑わいをつくりなが
ら場所をつくっていく.
【建築空間】
アーケードと一帯化した賃貸住宅をつくり,少しずつ建て替え(新築)を進めるこ
とでアーケードの中が更新されていく.通路上には共用廊下兼舞台が張り出し,
街行く人もお笑いを手軽に楽しめる状況が生み出されている.住居スペースはや
や小さめの設定.
◯商店街とお笑いを絡めたのがとても面白い.もともと商店街はリニアな空間で日本中どこにでもある空間構造ではあるが,そこに演劇性が潜在していたと気付かせてくれた.(千葉)
◯実際に実現が可能な提案だと思う.ボトムアップ的な進め方がこの場にあっていると思うが,その割には大規模な建築をつくろうとしているので,バランスをどう考えるかが大切.(赤松)
◯プログラムと場との密接感があり,非常に強度のある提案になっている.場所としての魅力は十分あるが,賃貸住宅としては大切な住まいそのものの充実も考えてほしい.(横川)
◯商店街は動きにくい組織体であるため,必ずしもボトムアップで進めるのではなく,場所の価値を一緒につくり上げてくれる企業(大資本)を巻き込む想像力があってもよかった.(連)